ホーム > 経済研究所 > 研究会・イベント > 研究会・イベントのご報告 一覧 > 第450回 機振協セミナーのご報告「EVにおける開発・生産の分業化-『CASE変革期に 問われる異能チーム・異分野技術へのアプローチ調査』からの報告-」

研究会・イベントのご報告 詳細

「EVにおける開発・生産の分業化-『CASE変革期に問われる異能チーム・異分 野技術へのアプローチ調査』からの報告-」

第450回 機振協セミナーのご報告「EVにおける開発・生産の分業化-『CASE変革期に 問われる異能チーム・異分野技術へのアプローチ調査』からの報告-」
開催日時 令和4年7 月4日(月) 13:30~15:00
場所 WEBシステムにより開催
テーマ 「EVにおける開発・生産の分業化-『CASE変革期に問われる異能チーム・異分 野技術へのアプローチ調査』からの報告-」
講師 名城大学経済学部 准教授                                       機械振興協会経済研究所 特任フェロー 太田 志乃 氏
内容 2022年7月4日(月)にWebシステムより、第450回機振協セミナー「EVにおける開発・生産の分業化-」を開催致しました。講師は、名城大学経済学部准教授兼機械振興協会経済研究所特任フェローの太田志乃氏にお願い致しました。当日は、82名の方々にオンラインでご参加頂きました。ご参加頂きました皆様に、厚く御礼申し上げます。


【講演内容】

 本講演は、当経済研究所調査研究事業として2020年度から取り組んでいる「CASE変革期に問われる異能チーム・異分野技術へのアプローチ調査」の中間報告である。 本講演ではEV化の進展により「製品企画→開発・設計→生産」といった段階ごとに「専門特化分業」連携が進んでいる点に注目し、特にCASE時代の重要なプレイヤーである新興企業は新たな技術、技能、人材等にどのようにアクセスしようとしているのかといった問題意識に基づいて報告が行われた。 具体的には、第一に、EVシフトの中で核とされる自動車産業の変容、第二に、商用EV市場にみる開発・生産の分業化、以上の2つの視点から報告が行われた。 第一の視点では、主要完成車企業のEV化傾向についてグローバルEV販売台数等から説明した上で、EVシフトがもたらす変化について、①ユーザーの価値観の変化(シェアリング、リースなどの所有形態の変化やADAS、自動運転などの運転価値観の変化、移動距離、価格帯、利用シーン等のクルマやモビリティに求めるニーズ変化)、②自動運転技術の深化に伴うサービス業界と農業や物流業の融合の可能性、③モビリティを利用したサービスの変化(MaaS)、以上の3点が指摘された。また、自動車産業(業界)の主要プレイヤーの変化については、既存自動車企業と新規参入(新規EV専業、ITサービス系、インフラ・輸送計系、EV受託生産)の比較から、既存自動車企業が「垂直統合型」であるのに対して、新規参入では「水平分業型」の傾向が指摘され、ケーススタディとして、鴻海やFordの取り組みも紹介された。 第二の視点については、日米中の商用車の販売実績を比較しながら、①自動運転新興企業による大手物流業者や小売業への供給、②生産を他企業に委託し前工程のみを請負うファブレス企業の参入、以上の2点から具体的な事例に基づいて説明がなされた。 講演後は、積極的な質疑応答が行われ、また本講演に関するアンケートでも参加者の方々から多くのご意見やご質問を頂戴し盛況理に講演を終了した。



※動画・資料の掲載は終了しました。