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第434回機振協セミナー「介護・ケア分野でのサービスロボット活用を考える ―令和2年度サービスロボット研究会成果報告―」のご報告

WEB講演会開催 第434回機振協セミナー「介護・ケア分野でのサービスロボット活用を考える ―令和2年度サービスロボット研究会成果報告―」のご報告
開催日時 令和3年4月21日(水)14:00~15:30 
場所 Web システムにより開催( CISCO Webex )
テーマ 第434回機振協セミナー「介護・ケア分野でのサービスロボット活用を考える ―令和2年度サービスロボット研究会成果報告―」のご報告
講師 一般財団法人 機械振興協会 経済研究所  調査研究部 研究副主幹  森 直子 氏
内容  4月21日(水)にWebシステムにより一般財団法人機械振興協会経済研究所調査研究部研究副主幹 森直子を講師として、第434回STEP講演会「介護・ケア分野でのサービスロボット活用を考える―令和2年度サービスロボット研究会成果報告―」を開催致しました。当日は、全体で54名のオンラインによるご参加を頂きました。ご参加頂いた皆様には、厚く御礼申し上げます。また、今回の講演会の開催にあたっては、一般社団法人日本機械工業連合会様の後援を賜りました。重ねて御礼申し上げます。

【講演内容】
 本セミナーは、「サービスロボットの市場発展および産業の成長に関する調査研究委員会」(通称「サービスロボット研究会」)の令和2年度成果報告に位置づけられるものである。サービスロボット研究会では、令和2年度から令和3年度にかけて介護・ケア分野におけるサービスロボットの活用促進、市場形成をテーマとしているため、今回は「中間報告」を行った。セミナーでは初めに、サービスロボット研究会の概要を説明するとともに、国際ロボット連盟(IFR)の統計をもとにサービスロボット市場については世界的に発展途上の状態であることを解説した。次に、本研究会がサービスロボットの市場形成やビジネスモデル構築を議論するうえで、独自の「環境条件特定度」と「ロボット必然性判明度」という2つの軸を設定した経緯を説明した。「ロボット」周辺にある機械・機構と、サービス提供従事者が一体となって生み出す「統合されたサービス」の中で果たすロボットの役割を考える重要性を考えつつ、ロボットである必然性のある部分はどこなのかを議論することが研究会の中心となっている。令和2年度のサービスロボット研究会では、究極の対人サービスである介護・ケア分野でのロボット導入促進と市場形成について、介護事業者へのヒアリングとロボット開発者向けアンケート(紙上ヒアリング)を実施し、課題を抽出することに努めた。介護事業者のヒアリングからは、周辺・間接業務(「見えない介護」と言われる)にロボット活用の需要があること、介護の「質」の向上にロボット活用が結びつかないと需要が発掘できないことなどの知見が得られたことを紹介した。また、ロボット開発者向け紙上ヒアリングからは、ロボット開発者側の現場の真のニーズを読む解くリテラシーの必要性など様々な重要な発見があったことを報告した。最後に、「使ってしまうロボット」を目指す必要性について、そしてヒトに直接作用するロボット技術の開発を促進する必要性など、サービスロボット研究会としての仮提言を説明した。講演後は、介護・ケア分野のような対人サービス分野ではロボット導入の投資額にたいする生産性向上・コスト削減効果の可視化が困難であるため導入が進まないこと、日本のロボット開発の場当たり的・部分最適の考え方への批判、あるいは、日本企業が需要のあるところに産業を作っていくという方向に転換することへの重要性、ヒトに直接作用するロボット技術開発は巨額の費用と労力が必要なため中国などが先行してしまう危険性への指摘、介護施設の通信インフラの現状確認など、参加者からの多様なコメントが寄せられた。

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