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「自動運転・運転支援・MaasとITS」
WEB講演会開催 第432回 STEPセミナー「自動運転・運転支援・MaasとITS」ご報告【独立行政法人経済産業研究所 共催 】 | |
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開催日時 | 令和3年2月9日(火)14:00~15:30 |
場所 | Web システムにより開催( CISCO Webex ) |
テーマ | 「自動運転・運転支援・MaasとITS」 |
講師 | 一般財団法人 機械振興協会 経済研究所 特任研究員 株式会社デンソーテン 前会長 岩田 悟志 氏 |
内容 |
モデレータ:独立行政法人経済産業研究所 理事 安藤 晴彦 氏 2月9日(火)にWebシステムにより株式会社デンソーテン前会長(兼、一般財団法人機械振興協会経済研究所特任研究員)岩田悟志を講師として、第432回STEPセミナー「自動運転・運転支援・MaasとITS」を開催致しました。当日は、全体で170名のオンラインによるご参加を頂きました。ご参加頂いた皆様には、厚く御礼申し上げます。なお、今回の会は、独立行政法人経済産業研究所との共催で行われました。 【講演内容】 海外では、自動運転の実運用がスタートし、自動運転タクシーの商用化が間近に迫っている。一方、日本では、規制緩和や自動車側の安全技術向上が進み、実証実験は行われているものの、通信や道路と自動車の間の連携が進まないことなどから、自動運転社会の実現への道は遠い状況にある。従って、自動運転だけをターゲットにするのではマーケットが広がらず供給側にとって開発を行ううえでの十分なインセンティブが生まれないので、同じ技術を車の安全設備や運転支援設備に利用し、それら設備を普及させることで、自動運転に必要な技術を向上させながらマーケットを広げていくような戦略が求められる。 今後、自動運転については、自動車側単独での対応では限界があるので、自動運転に適した道路環境の整備や、道路管理者による安全管理の向上が求められる。また、運転支援については、安全機能をさらに向上させるために、道路などに関する情報の取得と管理が必要である。Maas(Mobility as a service:サービスとしてのモビリティ)については、イニシアティブを誰が取るか、採算の取れるビジネスモデルをどのように構築するか、効率化・コストダウンのための自動運転・IT技術をどのように導入するかなどの課題をクリアすることが、実運用に移行するための鍵を握る。ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に関しては、交通機関とインフラが一体となったシステムを構築すべき時期にあるので、都市計画・国土計画に 基づく交通インフラ整備が必要である。 講演後は、参加者との積極的なディスカッションが展開された。まず、(1)一部の国で行われているような未完成の技術を社会実装することの是非についての質問に対しては、問題はあるものの、新しいビジネスをつくっていこうとする意欲的な姿勢は見習うべきであるという回答が行われた。また、(2)社会実装を進めるためにどのようなことを心がければ良いかという質問に対しては、実証実験のレベルでは出来ることが限られるので、使える物を作り、作りながら考えるという姿勢が求められるという回答が行われた。さらに、(3)既存の道路環境で自動運転を実用化できるかという質問に対しては、時間と場所を限定しコントロールすることで部分的には可能であるという回答が行われた。その他、配送手段としてのドローンとの比較や、空飛ぶ車の実現可能性、今後求められる規制、さらには自動車整備など既存の職業のあり方などについて、様々な見地から質疑応答や意見交換が行われ、今後の研究の発展のために活用されることとなった。 このセミナーの資料は こちらでご覧になれます。 |