調査研究報告書 詳細
技術構造分析に関する調査研究(2)
報告書No. H11委-18
発行年月 : 平成12年3月
株式会社 三菱総合研究所
Ⅰ 主要目次 | |
第1章 | 総論 -産業連関分析モデルにおける技術知識(知的財産)取引の取扱いについて |
1. | 産業連関分析モデルにおける技術概念 |
2. | 本調査研究における目的と課題 |
3. | 経済システムにおける技術知識の形成と適用過程に関する分析モデル |
第2章 | 特許等使用料に関する概念定義について |
1. | 平成2年(1990年)産業連関表と平成7年(1995年)産業連関表の概念比較 |
2. | 「特許等使用料」の概念・定義と他部門との関係 |
第3章 | 統計からみた技術知識の取引状況 |
1.特許行政年次報告 2.国際収支統計(サービス貿易) 3.企業活動基本調査報告 4.本社等の活動実態調査報告書 5.鉱工業投入調査 6.サービス産業投入調査 | |
第4章 | 企業における知的資産の生成とその管理の実態-A社における事例 |
1.特許出願から成立までの流れ 2.企業における特許管理体制 3.出願件数、登録件数の状況 4.特許経費 5.権利維持、権利放棄 6.特許取引および特許有償開放 7.研究開発活動との関連と技術者・発明者数 8.研究開発活動の成果としての特許の価値評価・プライシング 9.他社との競合と特許出願の方針 10.特許管理システム | |
第5章 | 技術知識の取引の推計方法について |
1.理論的位置づけ 2.現行の産業連関表との関係 3.推計に用いるデータ 4.試算の考え方 |
Ⅱ 概要 本調査研究の目的は、Ⅰ.統計表としての産業連関表の枠組みのなかで、無形資産としての技術知識(知的資産)の定義と、統計データとして捕捉、Ⅱ.新たな技術知識の形成(産出)と既存の技術知識の生産過程への適用に関する分析モデルの構築である。この目的のために、今年度は技術知識の取引状況について、統計からはどの様な情報が得られるか検討し、あわせて、企業における知的財産の生成と管理について、実態調査を行った。その結果は、自社における研究開発の成果が資産としては把握されておらず、経費をかけて特許をとっても、それが資産としてどれだけの金額になっているかは必ずしも把握されていないことが明らかになった。理論的検討を踏まえると、産業全体では複数の開発者による複数の研究開発活動が営まれ、いずれかの一つまたは複数の研究開発活動において開発目標(成果)が産出されるが、その際の研究開発費用は、当該産業部門における技術知識以外の財貨・サービスの生産活動における費用要素として取り扱われているということである。この状況を踏まえ、経済理論的に解釈して、それに整合的な産業連関表の統計として作成していくには、特別調査によって基礎データの収集が必要である。 |