調査研究報告書 詳細
電線リサイクルの流通経路と経済性に関する調査研究
報告書No. H20-4-3A
発行年月 : 平成21年3月
(社)電線総合技術センター
【主要目次】
1.調査研究の概要
2.電線のリサイクル
3.電力・通信事業者などインフラ系からの廃電線リサイクルの実態調査
4.家電製品・電気機器からの廃電線リサイクルの実態調査
5.自動車からの廃電線リサイクルの実態調査
6.建設・建築分野からの廃電線リサイクルの実態調査
7.電線リサイクルに関するアンケート調査
8.電線リサイクルの変遷と中国輸出
9.電線スクラップの海外輸出の仕組みと実態
10.電線リサイクルの問題点と提言
【概要】
使用済みの電線が具体的にどのような流通経路を経てリサイクルまたは海外輸出されるか、電力・通信等のインフラ系、家電、電気機器、自動車、建設等の分野別に調査を行った。また、使用済み電線のうち相当量が中国に輸出されそこでリサイクルされていることから、日本から中国への廃電線の流通および中国国内での電線リサイクルの実態について現地を含めて調査した。その中で、径の大きい太物電線は国内でスクラップ処理を行なったほうが価格的に優位で、雑線と呼ばれる細物の電線は中国へ輸出したほうが有利になることを示した。中国にスクラップを輸出する際の規制や手続き等を、特に電線スクラップに重点を置いて調査し、取りまとめた。
電線リサイクル事業者へのアンケート調査により、電線リサイクルの流通量、処理方法、取引価格の変化等を調査し、各素材のリサイクル率は向上してきているが、国内でのリサイクル処理量は減少していることを示した。
将来中国において人件費の上昇や銅資源の蓄積が進むなど、現状の輸出依存のリサイクルが維持できなくなることが予想される。混合スクラップの分別技術、解体しやすい設計、リサイクル材料の再利用の更なる促進と再利用のための情報普及、スクラップの価格を安定させる施策が望まれる。