調査研究報告書 詳細
中国機械産業の発展と欧州等の中国に対する安全保障貿易管理の実態
報告書No. H22-2-4A
発行年月 : 平成23年3月
(財)安全保障貿易情報センター
【主要目次】
第1章 中国機械産業の発展と我国の安全保障貿易管理の課題
1. 中国の原子力及び航空宇宙産業と機械産業の発展
2. 中国の工作機械産業の成熟度
2.1 中国工作機械産業の動向
2.2 中国の工作機械メーカーと主要製品の概要
2.3 中国メーカー製工作機械の技術水準
3. 中国の二軸混練押出機産業の成熟度
4. 中国のその他の機械産業の成熟度
5. 欧州企業の対中進出と我国の安全保障貿易管理の課題
第2章 欧州等の中国に対する安全保障貿易管理の実態
第3章 我国の工作機械産業及び二軸混練押出産業等の国際競争力強化に向けた課題
1. 対中輸出規制が我国の機械産業に及ぼす影響
2.国際競争力の強化に向けた我国の安全保障貿易管理の課題
【概要】
近年、中国が著しく経済発展するなか、日本経済の対中依存度は高まる一方であるが、日本は国際レジームでの合意に基づき軍事転用の恐れのある技術・品目の輸出を外為法で規制しており、工作機械や二軸混練押出機などの機械製品の輸出もその例外ではない。他方、同じ国際レジーム参加国であるドイツやイタリアなどの欧州諸国は、これら規制品目の対中輸出で後手に回る日本を尻目に中国におけるシェアを拡大させている。この大きな要因の一つが、日欧間の安全保障貿易管理の運用の違いである。これら規制品目の技術は既に欧州から中国に流出、中国現地企業も欧州から導入した技術を基にその実力を向上させ、二軸混練押出機のように世界各国に多数輸出できる水準に達した品目もある。
本調査は、こうした中国機械産業の発展と欧州等の対中輸出管理運用実態について調査し、日本の機械産業の国際競争力強化のため過度な規制内容を見直す指針的知見をまとめた。