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調査研究報告書 詳細

「安全・安心」価値を活かした機械関連産業の活性化と課題

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報告書No. H19-6
発行年月 : 平成20年3月



【主要目次】

序章 調査研究の概要

第1章 事故・事件が問いかける機械関連産業への課題

第2章 機械関連産業にとっての「安心・安全」価値

第3章 モノづくりにおける安全・安心への対応

第4章 「安全・安心」価値を活かすマネジメントシステムに向けて

第5章 まとめにかえて

【概要】 

 グローバル化・情報化が進む今日、重大事故、事件の発生は様々な形で機械関連産業をはじめとする製造業の現状に疑問を投げかけるとともに、「安全・安心」価値を社会に再認識させ、企業経営、モノづくりなどへの課題を提示している。

 本調査研究では、製品機能の高度化、国際的な調達・販売体制、製品などの長期使用・経年劣化、巨大化・複合化する産業・社会システム、法制度変更等々、機械関連産業が向かい合う安全や安心に関わる社会環境が大きく変化している状況において、報道やインターネットの普及などにより、これまで顕在化しなかった問題なども社会に提起されやすくなり、今後、安全・安心を巡る価値への消費者・ユーザーの関心・意識も、これまで以上に、高まっていくことが予見されることから、これらを念頭においた企業経営や政策的視点について検討を行った。

 報告書では、公開情報、各種文献、企業関係者へのヒアリング調査、そして有識者からなる調査研究委員会での議論をもとに、様々な事故から浮かび上がる問題点と企業経営の視点から安全に関するハード面、ソフト面の取り組みの整理を行い、これまでハードウェアに力点がおかれてきたと考えられる企業の安全・安心に向けた活動に加えて、経営マネジメントにおいても、「安全・安心」価値を重要視し、追求する、総合的な支援プログラムの必要性を指摘した。また、企業にとっての安全や安心の価値について考察を行い、重大事故の発生とともに関与した企業以外の企業行動について不安や不信が向けられる状況において、企業の信頼回復・維持・醸成の鍵は、企業側の経営理念確立である、とした。

 そして、今後に向けた企業経営の課題として、利益・コスト・安全への企業の基本フレームや、製品に求められる価値の増大と多様化、安全・安心を活かしたモノづくりの現状、立場の違いを超えた「安全・安心」価値の共有などの観点から、「安心」価値の拡大にむけた事業展開についての考察・検討を行い、「安全」価値を経営行動に組み込む支援ツールとしての管理会計の理念型や、「安心」価値を活かしたビジネス展開の今後について取り纏めた。