調査研究報告書 詳細
転換迫られる日米欧産業技術協力政策―競争力維持とグローバルな技術進歩への同時貢献―
報告書No. H8−3
発行年月 : 平成9年5月
Ⅰ 主要目次 | |
1-1 | 半導体(政府支援R&Dプロジェクト政策の面から) |
1-2 | 半導体(日米欧産業技術協力政策の施策から) |
2. | 「将来リソグラフィR&Dリソース・ニーズ調査」結果まとめ |
第1部 | 政府支援R&Dプロジェクトをつうじた日米欧の連携必要性 |
1. | (基礎問題)次世代リソグラフィR&Dにおけるリソース・ニーズの増大 |
2. | (基礎問題)民間投資と技術アクセスの不足・ゆがみ懸念 |
3. | (現状と比較)米国の現行コンソシアムにおける取組と限界 |
4. | (対応)日米欧における官民の国内外連携-ASET拡充の必要性- |
第2部 | (背景情勢)関係各組識の動向と展望 |
1~5 | ASET、SELETE、SIRIJ、SEAJ、J300の1996年度の活動回顧と今後の展望 |
6. | EIAJ関係 |
参考 アンケート資料 |
Ⅱ 概要 先端製造技術に関する産・官・学のR&D連携について、半導体のケースによる調査である。本年度は、課題として、先端計測・検査・材料分析など、微細加工技術の発展に不可欠でありながら投資効率の悪い周辺要素技術における、日米欧の選択的連携を提言した。この調査プロジェクトでは、一昨年度に、米国セマテックと対比しつつ日本でも産・官・学連携の組識つくりが必要になっていることを明らかにし、次いで昨年度には、現に日本版コンソシアム(SELETE、ASET)が設立されたことを受けて、そのうち民間自主設立の業界コンソシアムから部分的国際協調を始めるべきことを指摘した。 本年度は、そうした民間コンソシアム間協調が現に始ったことを踏まえ、国のプロジェクトの場を通じた国際連携の必要性を指摘したものである。 具体的には、まず政府が、微細化周辺要素技術の研究開発目標に関する日・米・欧の関係者による議論の場つくりに向けて、タネとなり得る既存R&Dプロジェクト(ASET等)の拡張・改組に踏切るべきと考えられること。民間企業にあっても、事業部と研究開発部署の意思統一、意欲ある企業同士の連携を進め、ユーザーの立場から開発目標(周辺要素技術テクノロジー・ロードマップ)の設定について議論をリードすべきであり、国立研究所や大学関係者の補完的参加・協力も仰ぐべきことを指摘した。 議論の根底には、半導体が情報化を軸とする世界の技術発展に死活的に重要でありながら、微細化技術周辺に可能性を持つ要素技術領域が広がって民間R&D投資のみでは技術多様性確保が期待できない点、同時に財政制約も強まっている点がある。よって本調査では半導体技術のケースをつうじて、日米欧の官・民が、国際競争力を犠牲にすることなく、グローバルな技術発展と技術多様性を、産業技術協力の枠組において協調確保すべきことを提言した。 |