調査研究報告書 詳細
競争環境変化への追随から新たな挑戦へ―日出づる処の機械産業・市場を目指して(わが国機械貿易にみる競争環境適応と機械産業の挑戦課題)―
報告書No. H14-1
発行年月 : 平成15年3月
Ⅰ.主要目次 | |
第1章 | 機械輸出にみる特化傾向・展望と挑戦型企業経営 |
1節 | 「強い」機械・部品はあるのか ― 貿易特化係数を手がかりに |
2節 | 「東亜経済地域」における国内機械産業の可能性と課題 ― 貿易面から |
3節 | 挑戦型企業経営に向けた組織課題 |
第2章 | 機械産業における特色出しと市場開拓(多面的アプローチ) |
1節 | 基軸技術概念の導入 ― 貿易からみた検証と合わせて |
2節 | 産業集積のネットワーク化による再活性化の可能性 |
3節 | アジア規模のモノづくりと中小製造業の競争力 |
4節 | 機械情報産業におけるハード・ソフト・サービスの統合 |
5節 | 新市場・新ビジネス |
まとめに代えて ― 新産業社会構想を求めて |
Ⅱ.概要 前半では、わが国機械製品が、東アジアに対し輸出特化係数を下げた様子を、完成品/部品、IT系/非IT系等に区分して観察した(92―2002年)。 その結果、1)内閣府『経済財政白書』の論調と異なり、国内機械産業は深刻な問題を抱えている; 2)90年代の特化係数低下では、安い輸入要素で輸出拡大を実現できていない。“部品シフト”が起きたが、乗用車を除く完成機械の輸出減が深刻で、部品の増加で補いきれず、機械全体で輸出増を実現できていない; 3)国内の相対的強みは、「すり合わせ統合が厳しく要求されかつ量産的発想が活かされ易い」乗用車やデバイス類。だがデバイス類の世界シェアも低下し、部品輸出・組立品輸入の好循環は未確立; 4)対策としては、市場機能の円滑化・効率化という「構造改革」だけでは到達点が見えず、政策として不充分と指摘した。 後半では、それに対して、企業の組織課題、「基軸技術」、国内産業集積とアジア、ソフト・サービス化、新市場開拓等につき多面的アプローチをまとめた。最後にそれらを統合した「新産業社会構想」等で、政府としてのビジョン、要求を明らかにし、民間ビジネスとの間で緊張関係を築くことが、市場経済にも必要・有効と提唱した。 |