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調査研究報告書 詳細

我が国素形材産業の直面する課題と将来展望

報告書No. H13委-15
発行年月 : 平成14年3月


財団法人 素形材センター

Ⅰ 主要目次
第1章 金型産業の特徴とその現状
第2章 金型産業を巡る環境変化
1. ユーザ企業の海外展開の進展
2. 取引構造の流動化
3. ユーザ企業からの要求の変化
4. 加工設備の高機能化
第3章 金型企業等の取り組み
1. 受注拡大の動き
2. 高付加価値化、短納期化、コスト削減
第4章 金型産業の国際競争力
1. 各指標にみる国別の比較
2. 主要国の金型事情
3. 主要設備別の評価
4. 金型の種類別の評価
5. 総合的な評価(我が国の強み)
第5章 金型企業等の目指すべき方向…技術力の強化
1.技術力の強化 2.短納期化、コストの削減 3.海外市場の開拓
第6章 解決すべき課題
1.技術開発の推進 2.人材の育成 3.経営リソースの革新 4.商慣行 5.設備の高度化 6.IT技術の活用・導入 7.国際化への対応力強化 8.高コスト構造の是正 9.知的財産権の保護
付録 金型メーカ向けアンケート調査
Ⅱ 概要
 我が国金型産業の売上高営業利益率は1999年で製造業全体の平均を下回り、赤字に転落したことが明らかとなった。さらに、金型産業を巡る環境変化としては、現状、金型ユーザ企業の海外展開の進展は避けられない状況にある。一方で、ユーザ企業からの要求の変化は益々厳しくなり、第一にリードタイムの短縮、第二にコストの低減となっている。これら環境変化に対する金型産業の取り組みについては、従来の金型づくりを変えず製作場所などを変える場合、また金型づくりそのものを見直して競争力を強化する場合の二つに分類できる。前者には、労働力コストの低減とユーザへの接近などがあり、後者では、高付加価値化、短納期化とコスト削減への企業努力も見られる。
 金型産業の国際競争力に関しては、生産、貿易、価格、納期等について国別の比較を行った。
金型の種類別の評価として、ユーザ産業の代表的な分野、自動車部品用と家電・OA部品用金型についてのヒアリング結果を分析して、評価を行った。これらをまとめると、日本の金型企業が今後目指して行くべき技術と経営戦略は、①超微細精密加工用金型、②超複雑加工用金型、③超大量生産用金型、④超高速生産用金型などの製作技術である。
最後に、解決すべき課題として、(1)技術開発の推進、(2)人材の育成、(3)経営リソースの革新、(4)商慣行の改善、(5)設備の高度化、(6)IT技術の活用、(7)国際化、(8)高コスト構造の是正及び(9)知的財産権の保護を挙げた。