調査研究報告書 詳細
光電系エコデバイス産業の創造に向けた研究開発と広域連携のあり方―薄膜系太陽電池産業の国際競争力強化と新ビジネス創造に向けて―
報告書No. H20-1-1A
発行年月 : 平成21年3月
(財)九州経済調査協会
【主要目次】
はじめに ― 調査の枠組みと論点
第1章 薄膜系太陽電池の産業動向と要素技術
第2章 太陽電池産業の事業特性と研究開発の現状
第3章 薄膜系太陽電池の国際競争力強化に向けた研究開発のあり方
第4章 有機薄膜系太陽電池の新ビジネス創造と研究開発
第5章 薄膜系太陽電池における九州のポテンシャル
第6章 九州に求められる総合的な研究開発環境の構築
【概要】
低炭素社会の構築が進むなか、光電エネルギー変換に関わる「光電系エコデバイス」が新産業形成の鍵になる可能性がある。なかでも、薄膜系太陽電池は強い国際競争力を持つ新しい基幹産業に育て上げることが重要である。
量産段階の無機薄膜系太陽電池では、「高生産性量産技術の確立」が極めて重要である。また、事業化検討段階の有機薄膜系太陽電池では、超低コスト化に寄与する「次世代簡易成膜技術の確立」を目指した新材料探索やプロセス技術等の基礎研究の強化が求められる。特に、有機系に関しては、文部科学省および経済産業省における政策的支援も期待されるところであり、それを軸に九州としても広域的連携の輪に加わるべく、速やかに態勢整備の検討を進めるべきである。同時に、有機系ではユビキタス電源用途等の新領域でのビジネス創造に向け、市場からのフィードバックを有効に活かした戦略的な技術開発サイクルを構築することが求められる。なお、学際的知見が要求される薄膜系太陽電池の研究開発に対応するために、複数の大学・企業の広域連携による「薄膜系太陽電池連携大学院」の構想が求められる。