調査研究報告書 詳細
データ活用サービス競争力の基盤たるメモリストレージ・システムとエッジAIハードの両輪
報告書No. H30-2
発行年月 : 平成31年3月
【報告書目次】
1 デバイスプロセスから見た問題提起
1) システム/モジュール面にデバイスを活かす具体的可能性(例)
ア) 新不揮発メモリ活用による
超低遅延・超低待機電力メモリ・チップパッケージ
イ) サーバ/ストレージセンタ分野でのグローバルアピール
2) デバイスプロセスの「レガシ組直しによる
ミレニアムイノベーション」本格検討
ア) レガシ組直しによる超低待機電力・高効率デバイスプロセス
イ) 各種項目への敷石
(1)実装等へのテロジニアスインテグレーション(HI)への考え方
(2)新不揮発デバイス(材料)研究のスケールアップ:強誘電体等
(3)自然コンピューティング・アルゴリズムとデバイスの一体探索
2 「構想レイヤー人材」養成にあたってのボトルネック:チューター問題
付属資料
[概要]
世界が携帯無線第5世代(5G)やAI-Big Dataで沸き立つ中で、日本半導体産業は、わずかにソニー・イメージセンサ、東芝(キオクシア)、NANDメモリーなど、オリジナル開発品だけが善戦しているとはいえ、ほかは苦戦が続いている。日本半導体産業凋落の原因として見落してならない一つの点として、本報告書では、半導体の需要(応用)側産業、とりわけコンピュータと通信機の事業が、日本で弱体化した問題を強調した。半導体は部品であって、その開発は、応用システムが牽引するのが世界の常態である(半導体産業だけに弱体化原因を求めるのは誤り)。ところがNTTグループなどは、携帯からスマホに転換する際など、国内勢中心の開発を放棄し、外部調達で結構という行動を採り、またNECなども、ハードは買えば良い、SIサービスで儲けるという経営を多年続けた。かつその顧客は国内金融機関、地方含む官庁等、いずれも組織内に高い能力のIT人材を殆ど抱えずに外部委託を繰返す横並び組が多く、革新性を問われないままにきた。今になって5Gなどでシステムを立直そうとしても苦しい。
それでも6GやモビリティIT革命を睨む場合、NTTに代表される、上記のような経営姿勢の打破が最重要であり、もし既存各社にそれが期待できないならば、大小のスピンアウトベンチャー化が望まれる。また中身的には、既製品上の応用サービスにとどまるなら差別化は困難なので、ハード/デバイスレベルから革新性を伴うシステムに刷新していかねばならない。その具体的な事例、中身を、委員の知見等も仰ぎながら掲げ、政府施策として、デバイスプロセスの技術まで立入るかたちのテコ入れが必要と提言した。(他方、人材教育は、具体施策が望めず、将来に先送りした。)