調査研究報告書 詳細
エコ・イノベーションの創造と戦略経営の課題
報告書No. H13-4
発行年月 : 平成14年5月
Ⅰ.主要目次 | |
第Ⅰ部 | 調査概要とサマリー |
第1章 | 戦略的な環境マネジメントの概念と調査研究の方法 |
第2章 | エグゼクティブ・サマリー |
第Ⅱ部 | エコ・イノベーションの創造を促す戦略マネジメントの諸側面 |
第1章 | 環境配慮型経営とステイクホルダー |
第2章 | 環境配慮型製品開発とマネジメント |
第3章 | 環境配慮型経営における経営トップ、ミドルの役割 |
第4章 | エコ・イノベーションを創造する組織体制、人的資源管理 |
第Ⅲ部 | 事例編 |
Ⅱ.概要 環境経営への関心はここ数年、制度的な施策の充実度から、いかに個人が創造性を発揮して環境配慮に関する画期的なアイデアを提案し、製品開発やゼロ・エミッションといった具体的な活動において組織的にイノベーションを生み出すことができるか、という点に移行しつつあるように思われる。 一方、環境経営を扱った調査研究では、ISO14001の取得に代表されるような制度の充実度を扱うものが多くを占め、制度を有効に運用・活用して、エコ・イノベーションを組織的に創造することを促進するようなマネジメントの仕掛けあるいは工夫といった視点から分析するものが少ないような状況にあると言えよう。このような既存調査における限界を補う上で、環境配慮型の経営諸活動におけるイノベーションの創造を促す戦略的なマネジメントのあり方、プロセス、関係性を詳細に提示することが求められているのである。 本報告書では、エコ・イノベーションの組織的創造を促進する要因を探るため、具体的な開発プロセス、組織のあり方、経営トップやミドルの役割、ステイクホルダーとの関係といった視点を主要な変数として位置づけ、取りまとめたものである。 調査方法としては、機械関連企業7社を対象とするヒアリング調査を実施し、探索的に因果関係を明確にするような定性的分析を行った。その結果、若干の実務的インプリケーションを得ることができた。具体的には、ISO14001の取得が即、エコ・イノベーションの創造に結びつくわけではないこと、理念を具体化する目標の数値化の必要性、特に標準化に対する理解の重要性、柔軟な組織構築の必要性、部門評価への環境要因の組み込みと人事評価へのリンクの必要性、ミドルの役割の重要性、取引先との理念の共有の大切さ、「改善」を超えた画期的イノベーションの創造の必要性、「部分最適」から「全体最適」の思考への移行の重要性が明確にされた。 |