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技術研究所外部評価制度 詳細

平成17年 第3回技術研究所外部評価の結果のご報告

 平成17年7月20日、技術研究所において外部評価が実施されました。外部評価委員は岩田一明大阪大学名誉教授をはじめとする産・官・学からなる計5名の方々でした。今回の外部評価は対象を研究分野に絞り、平成15年度で終了した研究テーマ2件、16年度で終了した研究テーマ2件、の計4件(最終評価)と致しました。

評価対象の研究テーマ:4件

研究テーマ名研究の概要
(a)難加工材料の加工技術に関する研究
(平成15年度終了)

本研究は一般金属材料より加工が困難であるセラミックス・ガラスなどの難加工材料の切削加工技術の開発、実用化をするものである。ダイヤモンド工具による光学ガラス(bK7)の延性切削の研究では、加工雰囲気を窒素及びアルゴンガスに置換して加工実験を行ったが望まれる工具寿命に達しなかった。CbN工具では延性切削を実現し、切りくずの電子顕微鏡観察で流れ型であること及び工具摩耗が確認できないほど少なく、ガラスの延性切削に有望な工具材種であることを確認した。

(b)計測標準高度化に関する研究
(平成15年度終了)

本研究は製造業に対する普及度が極めて高いのにもかかわらず、その測定精度に関する標準的な評価方法が定まっていない三次元計測技術を取り上げ、その実用的な測定精度限界(不確かさ)を評価する方法の確立について検討した。ここではCMMの温度ドリフト補正方法、特に企業等の現場においても応用できる簡易で安定性の高い測定精度評価方法の開発を中心にして研究を行い、現場にて実用できる手法を提案した。

(c)多自由度ステージ機構の開発研究
(平成16年度終了)

本研究は小型6自由度ステージを用いて顕微鏡や分析機等、バイオ、ナノテクノロジー分野における微細作業ステージとして一般的な3自由度(X-Y-Z)ステージ機構に代わり、同等以下の大きさで、よりフレキシブルな多軸微細作業ステージを実現することを目的とした。超音波リニアモータ適用の検討と試作評価,小型6自由度ステージ試作と,それによるデジタル顕微鏡(~600倍)による観察実験評価等を行い、当該技術が実用上有望であることを確認した.

(d)サイクロイド歯型研削加工に関する研究「CGスクエア技術(CCCGT)の研究」
(平成16年度終了)

本研究は機械要素生産技術の再検討として歯車系の高精度・高能率加工技術を取り上げたものである。今まで低騒音、高伝達効率である優位性を知られながらも加工困難であったために普及の遅れていたサイクロイド系歯形の歯車研削加工技術を検討した。特に高速処理を行うための制御装置の開発や、サイクロイド歯車を効率的かつ、精度良く加工するための加工パスの検討等を行い、十分実用化可能であるとの確証を得ることができた。

 
 9月末に提出された指摘事項、5点評価による評価結果は以下の通りです。
(評価基準:5:非常に優れている、4:優れている、3:ほぼ適正である(普通)、2:改善すべきである(劣っている)、1:全面的に見直すべきである(極めて劣る))
 
(1) 全体に対する総合評価

 全体としてほぼ適正と認められた。取り上げられた研究テーマの妥当性もあるといえる。しかしながら、一部の研究に関しては、研究体制の設定も含めたより厳密な研究計画策定が必要である。研究過程で行われている成果発表内容に関してはより緻密性(参考文献の取り上げ方、目的、手段などの簡潔な表現)が必要である。

 
(2)個別の研究に対する評価
 
(a)難加工材料の加工技術に関する研究

 CBN工具を使用したガラスの鏡面切削において、延性モードの切削が可能なこと、ならびに工具磨耗が単結晶ダイヤモンド工具より極めて少ないことを見出したことは、興味ある成果で、評価できる。さらにCBN工具が有用であるというメカニズムを解明することが、得られた成果を裏付ける上からも必要。
 共同研究などを進め、実用化に向けた更なる加工データの蓄積(工具寿命、最適加工条件など)が必要。将来は切削された材料の光学的諸特性と延性切削との関連にも目を向けることが有益と思われる。将来の発展性が期待できる研究テーマである(評価点:3.6)。

 
(b)計測標準高度化に関する研究

 現場環境におけるCMMの評価法は、実際の企業現場に直結した課題に対する取り組みであり、価値ある成果が得られたものといえる。開発の評価法が、国内における標準的評価法として発展することが期待される。このため、今後検討すべき考慮要因の整理ならびに評価法の本質的・根本的な限界を事前に検討しておくことが必要。また一般に理解できる形での現場啓蒙が必要。より普遍性を高めるため企業における評価サンプル(特に詳細な温度環境)を、さらに積み重ねてほしい(評価点:3.7)。

 
(c)多自由度ステージ機構の開発研究

 全体として開発するステージの対象分野に関して一段と精査されることが望まれる。またパラレルメカニズム適用の必然性についての深い考察が求められる。既存の各種ステージ内での位置付けも明確にする必要あり。その上で要求精度と機構自由度の相関を明らかにすれば、成果の有効性が高まる。製品応用についてのより詳細な事前検討が必要と思われる(評価点:2.9)。

 
(d)サイクロイド歯型研削加工に関する研究「CGスクエア技術(CCCGT)の研究」

 目的が達成されれば大きな成果が期待できる研究テーマである。その反面、実施体制に一段の工夫が必要である。折角の目標が達成されていないのは残念である。早く提案手法の利点を実証し、企業との連携・共同研究により実用化の道を進んで欲しい(評価点:3.0)。

 

 以上のように全体としてはほぼ適正である(普通)とのご評価をいただきました.当所としましては、これらの貴重なご意見を参考に改善すべき点は改善し、皆様のお役に立つ研究業務へと進めて参る所存です。