機械振興賞　受賞者 業績概要詳細

　地球温暖化防止の観点から、業務用エアコンにおいても省エネルギー化が強く要求されている。業務用エアコンの消費電力に占める圧縮機消費電力の割合は約90％と高く、省エネルギー推進にあたっては圧縮機の高効率化が急務となっている。業務用エアコンの圧縮機としてはスクロール圧縮機が主流であり、効率向上を図るにはスクロール先端からの圧縮冷媒の漏れ損失とスラスト軸受損失を低減する必要がある。今回、フレームを軸方向に移動可能としたフレームコンプライアンス機構（ＦＣＭ）を独自に考案し、これを採用したスクロール圧縮機を開発し、商品化に成功した。開発したＦＣＭスクロール圧縮機は、従来の圧縮機に対して、周波数60Hzで14％、30Hzで27％の効率改善を達成し、優れた省エネルギー性を有している。