機械振興賞　受賞者 業績概要詳細

　近年、様々な先端技術分野で微細穴加工の需要が増大し、要求される穴径も微小化している。このような加工は、豊富な経験と感性を持つ熟練技能者に依存せざるを得ない状況にある。今回、「熟練技能者の技を機械に置き換え、誰でも簡単に微細深穴を加工することができる」ことをコンセプトに小型の旋盤型微細穴加工機を開発した。本機は直径0.05mm～0.3mmでアスペクト比（加工深さ／直径）20以上の穴を、微小径ドリルにかかる負荷を常時監視して折損を回避しながら自動加工することができる。この機能を生かすことにより、チタン合金、コバール、耐熱合金等の難削材の加工、最適な加工条件を求める切削試験、あるいはドリルの開発評価等に幅広く利用できる。このように本機は、機械工業の先端技術分野における微小ノズル加工等の要請に応えうるものである。