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機械製品に対する安全要求と設計方法
第5回 安全設計−冗長系分離設計−
冗長系分離設計とは、同じような機能(まったく同一ではありません)を持つ手段を二つ以上用意し、別々の場所に設置することにより製品の安全性を向上させることです。
例えば、図1に示すモータを駆動させる回路を考えて見ます。この回路はモータ、電源およびスイッチから構成されており、このスイッチの故障率が高いとすると、スイッチの故障対策としてスイッチ回路を二つ(主系と冗長系)にし、別々の場所に設置します。スイッチを冗長系分離設計にしたことで、一方のスイッチの故障が他方のスイッチの故障を誘発することはありません。
図1 スイッチの冗長系分離
冗長系分離設計は、安全上信頼性の高い製品となりえます。そのために以下に示す要求を満たすことが必要となります。
設計1: | 冗長系は同じ場所に配置せず分離する。(図2) |
設計2: | 物理的ダメージがあっても機能が達成できるように冗長系を保護する。(図3) |
図2 設計1:分離 |
図3 設計2:保護 |
例:電気的な冗長系分離設計としては、単一コネクタにまとまった配線を通さないなどが考えられます。
安全設計−冗長系分離設計−(137KB)