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機械製品に対する安全要求と設計方法
第4回 安全設計−故障の伝播防止設計−
故障の伝播防止設計とは、機械製品のある場所で一つの故障が起きたとき、その故障の影響により他の故障の発生を防ぐことです。設計段階で故障が発生すると予想される箇所が、他の部分に影響しないように分離することです。
製品のストレスによる亀裂などは伝播する例と考えられます。適切な材料の選定、形状などの配慮により、亀裂の進展を抑える必要があります。
事象: | 車両走行後の点検で、トランスミッションの戻り配管のクランプが破損しているのが発見されました。 |
原因: | 配管はクランプに溶接され、クランプを通して車体に固定されていました。組立て時、配管を無理に引っ張って溶接したため、クランプ取付け部に発生した初期応力に、油圧脈動や走行時の路面からの振動で繰返し荷重が加わり破損したと推定されました。 |
対策: | 配管とクランプとの溶接をUボルトの固定に変更し、さらにクランプの板厚も増加させました。 |
安全設計−故障の伝播防止設計−(116KB)