ホーム > 技術研究所 > 機械の安全・信頼性に関するかんどころ > 機械安全のための規格と法律、設計方法の紹介 > 機械安全のための規格と法律、設計方法の紹介 詳細

機械安全のための規格と法律、設計方法の紹介 詳細

第12回 製品に適用される法律一覧 他【リニューアル】

製品に適用される法律一覧

対象対応する法律
・全般品質表示法(1962~)
・全般消費生活用製品安全法(1973~)
・医薬品薬事法(1950~)
・食品食品衛生法 + **JAS法(1958~)
・電気電気用品取締(1961~) → **電気用品安全法
・ガス**ガス事業法(1954~)
・LPG液化石油ガスの保安の確保および取引の適正化に関する法律(LPG法)(1967~)
・電波電波法(1959~)
・有害化学物質 有害物質規制法(1973~)
・自動車道路運送車両法(1951~)
・建築物建築基準法(1950~)

1.消費生活用製品安全法(PScマーク制度)

消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生の防止を図るため、特定製品の製造、輸入及び販売を規制するとともに、製品の欠陥により消費者に損害を与えた製造業者の責任を定め、消費者の保護を目的とする。

*技術基準適合義務

製造・輸入業者は、製品が技術基準に適合することを確認し、検査記録を保管する。特定製品は、自己適合確認を行い、特別特定製品は、登録機関による適合検査を受ける。

*PSマークの表示

技術基準に適合したことを確認した製造・輸入業者は、製品にPSマークを表示する。PSマークがない製品は販売できない。

詳細は「http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/shouan/index.htm」参照


1.消費生活用製品安全法

特別特定製品特定製品
対象製品 3品目
・乳幼児用ベッド(ベビーベッド)
・携帯用レーザー応用機器
 (レーザーポインター)
・浴槽用温水循環器
 (ジェット噴流バス、24時間風呂等)


対象製品 6品目
・乗車用ヘルメット
 (自動二輪車及び原動機付自転車用)
・家庭用圧力なべ及び圧力がま
・登山用ロープ
・石油ストーブ
・石油給湯器平成21年4月1日施工
・石油ふろがま



*改正消安法2007年5月14日施行 事故再発防止へ事業者の責任重く

身近な製品による重大事故の報告をメーカーなどに義務づける改正消費生活用製品安全法(改正消安法)が14日、施行された。ガス湯沸かし器など相次ぐ事故への対応が後手に回ったことを反省し、経済産業省が事故情報を集約・公表して再発防止を図る。

対象は他の法令で定められていない生活用製品すべて。業務用もホームセンターや通信販売などで簡単に買え、一般家庭でも使える製品も入る。重大事故は(1)死亡(2)全治30日以上のけがや疾病(3)体の障害(4)一酸化炭素中毒(5)火災が起きた場合。原因が製品の欠陥によるのか誤使用によるのかわからない場合も、重大事故ならば事業者は経産省に報告しなければならない。販売・修理業者にも事故を知ったらメーカーなどに連絡したり、消費者に呼びかけたりするという努力規定を設ける。

事業者が同省に届けた事故情報は基準=表=に沿って公表される。被害拡大の恐れがある場合、同省は事業者名を公表し、回収を命じる。事業者が重大事故の報告を怠ったり、虚偽報告したりすると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。


*長期使用製品安全点検制度(H21.4.1から施行)

  1. 1メーカーが「指定製品(屋内式ガス瞬間湯沸かし器、石油給湯器、ビルトイン式電気食器洗い機、浴室用電電気乾燥機、屋内式ガスバーナー付風呂がま・石油の風呂がま、FF式石油温風暖房機)に所有者票」を製品に付けて出荷。
  2. 2製品の利用者がカードに連絡先などを記入し、メーカーに返送。
  3. 3メーカーは利用者に点検時期を連絡。
  4. 4利用者が求めればメーカーが、点検・修理を実施。


*長期使用製品安全表示制度(H21.4.1から施行)

(1)省令の改正経年変化による重大事故発生率は高くないものの、事故件数が多い製品について、設計上の標準使用期間と経年変化についての注意喚起等の表示を義務化。
(2)趣旨改正消費生活用製品安全法(平成19年11月公布)における長期に亘り使用される製品であるため、消費者に長期使用時の注意喚起を促す表示を義務付ける制度。
(3)対象電気製品扇風機、エアコン、換気扇、洗濯機(乾燥装置を有するものを除く)及び脱水機(洗濯機と一体となってるものに限る)、ブラウン管テレビ。
(4)表示例
【製造年】 2001年
【設計上の標準使用期限】 20年
 設計上の標準使用期限を越えて使用されますと、経年劣化による発火・けが等の事故に至る恐れがあります。

2.電気用品安全法(PSeマーク制度)

電気用品の製造、輸入、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする。

詳細は「http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/」参照

2.電気用品安全法

特定電気用品特定電気用品以外の電気用品
対象製品 115品目
・温度フューズ
・差込プラグ
・コンセント
・蛍光灯用安定器
・電気温水器
・電気ポンプ
・ディスポーザー
・電気マッサージ器
・直流電源装置(ACアダプター)
・携帯用発電機          他



対象製品 339品目
・電気ストーブ
・電気アイロン
・電気冷蔵庫
・電気洗濯機
・扇風機
・電気スタンド
・ビデオテープレコータ
・テレビジョン受信機
・電灯付家具
・コンセント付家具
・リチウムイオン蓄電池     他




3.ガス事業法(PSTGマーク制度)

ガスの使用者の利益を保護し、ガス工作物の工事、維持及び運用並びにガス用品の製造及び販売を規制することによって、公共の安全を確保し、あわせて公害の防止を図ることを目的とする。

詳細は「http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/gasji/index.htm」参照

3.ガス事業法

特定ガス用品特定ガス用品以外のガス用品
対象製品 4品目
・ガス瞬間湯沸器     (半密閉燃焼式)
・ガスストーブ       (半密閉燃焼式)
・ガスバーナー付ふろがま(半密閉燃焼式)
・ガスふろバーナー


対象製品 4品目
・ガス瞬間湯沸器
 (開放燃焼式、密閉燃焼式、屋外式)
・ガスストーブ
 (開放燃焼式、密閉燃焼式、屋外式)
・ガスバーナー付きふろがま
         (密閉燃焼式、屋外式)
・ガスこんろ



4.液化石油ガスの保安の確保および取引の適正化に関する法律(PSLPGマーク制度)

消費者等に対する液化石油ガス器具等の製造及び販売等を規制することにより、液化石油ガスによる災害を防止することを目的とする。

詳細は「http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/ekiseki/index.htm」参照

4.液化石油ガスの保安の確保および取引の適正化に関する法律

特定液化石油ガス器具特定液化石油ガス器具以外の液化石油ガス器具
対象製品 7品目
・液化石油ガスこんろ
・液化石油ガス用瞬間湯沸器(半密閉式)
・液化石油ガス用バーナー付ふろがま
                  (半密閉式)
・ふろがま
・液化石油ガス用ふろバーナー
・液化石油ガス用ストーブ (半密閉式)
・液化石油ガス用ガス栓



対象製品 8品目
・調整器
・液化石油ガス用瞬間湯沸器
     (開放式、密閉式、屋外式)
・液化石油ガス用継手金具付高圧ホース
・液化石油ガス用バーナー付きふろがま
           (密閉式、屋外式)
・液化石油ガス用ストーブ
     (開放式、密閉式、屋外式)
・液化石油ガス用ガス漏れ警報器
・液化石油ガス用継手金具付定圧ホース
・液化石油ガス用耐震自動ガス遮断器




5.家庭用品品質表示法

消費者が製品の品質を正しく認識し、その購入に際し不測の損失を被ることのないように、事業者に家庭用品の品質に関する表示を適正に行うよう要請し、消費者の利益の保護することを目的とする。上記製造業の製品により損害を受けた場合、この損害の賠償を行う。


<繊維製品>(35品目:上着、ズボン、スカート、靴下、手袋、毛布、水着 他)
<合成樹脂加工品>(8品目:洗面器、水筒、湯たんぽ 他)
<電気機械器具>(17品目:電気洗濯機、ジャー炊飯器、電気毛布、電気炊飯器 他)
<雑貨工業品>(30品目:魔法瓶、かばん、洋傘、合成洗剤、くつ、たんす 他)

詳細は「http://www.caa.go.jp/hinpyo/」参照


6.製品安全関連施策の拡充

  1. 1重大製品事故情報報告・公表制度の創設(平成19年5月)
  2. 2長期使用製品安全点検・表示制度の創設(平成21年4月)
  3. 3製品安全技術基準の制定・強化
  • ガスコンロ:調理油加熱防止装置、立ち消え安全装置を義務化(平成20年10月施行)
  • リチウムイオン電池:内部短絡事故での発火防止の安全基準を義務化(平成20年11月施行)
  • 石油燃焼機器(石油ストーブ、石油給油機、石油風呂がま:不完全燃焼装防止装置の装着等の安全基準を義務化(平成21年4月施行)
  • 電気用品技術基準改正:プリント基板難燃化、電気ストーブ首振り機構、エアコン等コンデンサ、冷蔵庫電源プラグのトラッキング対策、洗濯機蓋ロック機構,浴室電気乾燥機、ハロゲンヒータのダイオード対策(平成21年9月公布) 等
    (平成26年9月改正)電気製品を限定せずに差し込みプラグに、耐トラッキング性を要求
              ・差し込みプラグ単体の技術基準を強化(ゴムプラグを除く標準型)
              ・本体に栓刃を有する機器(マルチタップ、漏電遮断器、ダイレクトプラグイン機器)
    (平成27年1月改正)差し込みプラグを組込む電気製品に、耐トラッキング性を要求
              ・一般家庭で日常的に使用されている全ての電気製品に適用を拡大
  1. 4消費者庁及び消費者委員会の創設と重大製品事故情報報告・公表制度の消費者庁移管(平成21年9月)
  2. 5Sマーク:法律上の義務はないが、第三者認証制度として、電気製品の安全性を確認した制度、平成7年に誕生

6.製品安全関連施策の拡充(差し込みプラグの耐トラッキング性)

7.消費者庁設置及び消費者安全法の制定に伴う消費者事故情報の流れの変化

  1. 1消費者安全法により、各省庁等に寄せられていた消費者事故情報を行政機関が消費者庁に一元化
  2. 2消安法に基づく重大製品事故報告先が、経済産業省から消費者庁に移管により消費者が消費者庁に消費生活用品に係わる消費者事故情報を通知
  3. 3消費者庁が、収集した消費者事故情報を分析・公表し、注意喚起、措置要求及びすき間事案へ対応

消費者庁発足前の消費者事故情報の流れ

消費者庁発足後の消費者事故情報の流れ


8.Sマーク認証制度(第三者認証)

  1. 1法律で義務づけられたものではありませんが、民間の第三者認証制度として、電気製品の安全性を確認したことを示す制度()。
  2. 2国の規制緩和と製造物責任(PL)法制化などを背景に電気製品認証協議会(SCEA)によって平成7年に誕生。
  3. 3以下に示す4機関が製造事業者の申請に対して製品試験や工場調査を行い、認証を実施。
  4. 4認証基準には、電安法の内容や国際規格のI EC規格に加え、国内における事故情報を検討した独自のSCEA基準を追加。(例:電気ケトルについては、乳幼児のやけど事故の防止のための独自の新基準を2013年3月より追加)
  5. 5Sマークの有効認証件数は22,497件、電気製品認証協議会による店頭調査では77.6%の電気製品がSマークを表示しています。