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過去の事例 詳細

スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗

【管理不良、検討不足よる事例:しっかりマネージメント、検討することが大切です!!】



組織の中で働いていると、様々な思惑にとらわれすぎて判断を誤ってしまうことがあります。このような判断ミスを避けるためには、なによりもまず現場の声に耳を傾けることが大切です。2003年2月、帰還のため大気圏に突入したスペースシャトル・コロンビア号がテキサス州上空で空中分解し、宇宙飛行士全員が帰らぬ人となってしまった事故は記憶に新しいことと思います。コロンビア号は打ち上げ時に、外部燃料タンクに張られている断熱材が剥がれ、それが自身の左翼前縁に衝突するというアクシデントに見まわれました。大気圏突入の際、この衝突による左翼の損傷部に超高温の空気が流れ込んで損傷が広がり、左翼が破壊され事故に至ったとされています。断熱材の脱落は過去にも頻繁に起きていましたが、NASAは抜本的な解決策を講じてきませんでした。今回のコロンビア号でも、左翼損傷のままの帰還に危ぶむ声があったにもかかわらず、そのまま帰還させてしまいました。このような安全軽視の姿勢が事故を招いたと考えられます。

現場からの小さな指摘、提案等をマネージメントレベルで十分検討できる組織作りが必要です。何事においても安全第一です。 設計者、マネージャーとしての勘を磨いてください!!
(出典:失敗知識データベース、http://www.sozogaku.com/fkd/)
図 断熱材の落下による左翼の損傷 図 空中分解したコロンビア号