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過去の事例 詳細

ブラケット締結ボルトの弛み

【検討不足、経験不足による事例:しっかり検討、審査することが大切です!!】



仕事帰りの満員電車でやっと座れた。座ったとたん、電車の心地よい揺れ、振動によりうとうととした経験をお持ちの方は多いと思います。しかし、この振動は、われわれには心地がよくても機械には大変危険な要因となることがあります。下図のようにブラケットで配管をクランプしていますが、このブラケットは、わずか1本のボルトで車体に締結されていました。この配管を固定するブラケットのボルトの弛みが、車両の点検で発見されました。車両走行時、配管に矢印の荷重がかかり、この荷重モーメントおよびその反力による振動でボルトが弛んだためと推定されました。対策として、ボルトの本数を2本として、モーメントに対抗できる構造としました。

設計段階において、想定される走行条件からモーメントの発生箇所および方向の特定を行い、振動対策を行うことが必要です。さらに、対策が妥当かのチェックを受けることも忘れずに!!


(出典:失敗知識データベース、http://www.sozogaku.com/fkd/)

図 ブラケットの締結方法、および荷重モーメント方向