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過去の事例 詳細

プレス成形品の疲労亀裂

【経験不足による事例:しっかり審査することが大切です!!】



われわれの生活に身近なプレス成形品として地震対策商品のポールが挙げられます。もし地震のときに、このポールに下記のような事態が発生し、機能が果たせなかったならば、損害は計り知れないものとなるでしょう。プレス成形品を試作して、繰り返し荷重をかけたところ、コーナー部に亀裂が発生しました。有限要素法(FEM)解析で応力が緩和するようにコーナーの曲げ半径を大きくして、試験をしましたが十分な効果が得られず再度亀裂が発生しました。疲労強度に対する平均応力の影響は疲れ限度線図(Goodman線図)で予測することができます。この場合試験時の応力振幅がFEM解析でわかり、次に疲れ限度腺図で平均応力が求められます。成形により残留応力が生じやすいことを設計時に把握していれば、亀裂が起こらない形状への変更は可能であったと考えられます。

設計時に製品の製造方法の検討、さらには設計条件およびその結果の審査が十分行われることによりこのような不具合の防止は可能であると考えられます。地震対策商品に限らず、設計荷重の取り方は慎重に!!

(出典:失敗知識データベース、http://www.sozogaku.com/fkd/
図 疲れ限度線図図 繰り返し荷重と亀裂