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過去の事例 詳細

H-IIロケット8号機の打ち上げ失敗

【経験不足による事例:しっかり審査することが大切です!!】


未知の分野において「失敗はつきものだ」と考えがちですが、設計者のちょっとした気遣いにより失敗をなくすことは可能です。1999年11月に打上げられたH-IIロケット8号機は、第1段エンジン(LE-7)が計画より早く燃焼を停止したため、地上からの指令により爆破されました。なんと、百億円以上の開発費が海のもくずとなったのです。翌年、小笠原沖3000mの海底からLE-7が回収され事故原因が調査されました。その結果、LE-7の配管内を逆流する旋回キャビテーションの気泡が、整流ベーンにあたり共振して圧力振動が発生し、その繰返し荷重によりインデューサが疲労破壊した結果と判明しました。当所、インデューサが旋回キャビテーションに対して十分な強度を持つことを確認しましたが、旋回キャビテーションがその他の要因と組合わさって新たな振動を起こす原因になるとは想定できませんでした。

新規開発品に対して安全、信頼性設計手法を用いた検討を行うことは必須でありますが、さらに経験豊富な有識者による設計結果のチェック、審査も忘れずに!!

(出典:NASDA資料、http://www.jaxa.jp/press/archives/nasda/2000/04/h28_000414_j.html