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過去の事例 詳細

大気観測衛星の不具合

【管理不良・手順の不遵守・不注意による事例:しっかりマネージメントすることが大切です!!】



通常、人工衛星の組立作業は、まず設計者が作業手順書を作成し、この手順書に添って熟練した作業員によっておこなわれます。このように、十分な注意を払って対応した作業においても不具合は起こります。下の図は、大気観測衛星(NOAA-N)の組立中に、横転台車から衛星が滑り落ちた時の様子です。報告書では4つの原因が指摘されています。1つ目は、台車操作に慣れた作業員が手順書に従わずに衛星を固定するボルトをはずしたままにしたこと。2つ目は、別の作業員が衛星の状態をよく確認しないまま台車を動かしたこと。3つ目は、この種の作業が日常化されており、作業員の気のゆるみがあったこと。4つ目は作業内容の変更を手順書に明記しなかったこと。すなわち今回の事故は、チーム全体の意志疎通が十分でなかった事により起こりました。事故による損害は、とても我々の給料で補填できる額ではありません。

このように複合的な要因が絡んだ不具合をなくすためには、管理レベルで作業チーム全体の意志の疎通を図るようなマネージメントが重要です。ちょっとした気のゆるみが大事故につながります!!

(出典:NASA WATCH http://www.nasawatch.com/