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補助事業 実施内容詳細

脆性材料を対象とした鏡面研削砥石の開発

1.実施内容

 現在の最先端の製品には、ガラスやシリコンウェハのように硬くて脆い材料が多く使われています。これらの部材は滑らかで平らな表面が求められることが多く、仕上げ工程においては研磨材を用いた磨き加工(研磨加工)が良く用いられます。しかし、この研磨工程は非常に細かな研磨材を用いて丁寧に作業を行わなくてはならず、加工能率の向上が求められています。一方、研磨加工と似た加工方法として砥石を用いた研削加工がありますが、研磨加工と比べて高い加工能率が得られるものの、加工表面の粗さや、表面性状においては、研磨加工にはおよびません。

本研究では、天然砥石(図1)の研究を通じて、層状の構造を持つ新しい人造砥石の研究を行って来ましたが、今までに開発した砥石は、耐水性が無く研削液が使用できませんでした。そのため、加工表面に傷が残りやすく、加工熱による加工表面のダメージも受けやすい欠点がありました。平成18年度は今までに開発した砥石による加工実験に加え、耐水性を持たせた層状砥石(図2)の開発を行いました。

図1 仕上げ用砥石の構造観察 図2 製作した砥石
図1 仕上げ用砥石の構造観察 図2 製作した砥石

2.予想される事業実施効果

 開発した砥石は、耐水性は確認できたものの、砥粒をつなぎ止める力(結合力)が十分でないため、更なる改良が必要であるものの、砥石を成形する際に加える圧力を高めることで、より強固な砥石にすることは、可能であると考えられます。今後は、成形方法の改良を行い、より実用的な層状砥石を作成し、加工能率の向上と、加工品質の向上に努めたいと思います。


 本研究は埼玉大学 池野順一助教授のご指導をいただいております。

3.本事業により作成した印刷物等

<KSK-GH18-4> 新加工技術に関する研究(平成19年3月)