ホーム > 協会について > 協会のお知らせ > 協会のお知らせ 詳細

協会のお知らせ 詳細

会長 新年の挨拶

 新年明けまして おめでとうございます。

 ご周知のとおり、昨年はロシアによるウクライナ侵略の長期化に加え、後半にはイスラエル・ハマス間の紛争が勃発するなど、世界情勢の不安定化が増大しております。しかしながら、こうした不安定な時代だからこそ、より冷静な思考と行動が重要であり、機械振興協会には世界情勢の変化を踏まえつつ、機械産業に携わる者として世界平和に対してどのような貢献ができるかを真剣に考え行動することが期待されているものと自負しております。
 さて、本年の干支は辰すなわち龍であります。この龍という言葉から想起される学者にエズラ・ヴォーゲル氏がおります。彼は中国と日本を筆頭に東アジア関係の研究に従事した米国の社会学者ですが、日本では、『アジア四小龍-いかにして今日を築いたか』(日本語版は1993年刊行)の著者としてご存知の方もおられるかと思います。四小龍とは、台湾、韓国、シンガポール及び香港のことですが、彼はこれら4つの国・地域の成長要因を分析しました。既にヴォーゲル氏は2020年に亡くなられておりますが、もし彼が生きていれば、『大龍・中国-急速な経済成長が世界に与える影響』といったようなタイトルの本を著してくれたかも知れません。いずれにしても、今日、大龍・中国をはじめとするアジア諸国が世界経済に与える影響は極めて大きなものになっています。世界情勢の安定と安寧を考える上でも日本はアジア諸国の一員として各国との連携をより緊密なものにして行くことが大切であり、それは日本の機械産業にとっても同様であります。
 一方、機械産業に関わる世界的な動きについては、ChatGPTに代表される生成AIの急速な普及と空飛ぶタクシーを含むモビリティ産業の登場を挙げることできます。この両者は相互に影響しながら、これまでとは異なる新たなサービスやモノづくりを生み出すものと期待されております。しかしながら、たとえAI搭載のモビリティの時代が到来したとしても、正確に走り(飛び)、止まる(着陸する)モビリティを製造する上で、機械関連の技術者・技能者たちのモノづくり力が重要であることに変わりはありません。モビリティ産業は、機械産業に蓄積されてきた技術・技能と生成AIなどのデジタル技術との「共創」によって成長する産業であると考えるべきでしょう。
 はからずも、昨年11月には当協会経済研究所BICライブラリに自動車図書館の蔵書4万点が移管され、「くるまコレクション」のコーナーが誕生致しました。自動車産業がモビリティ産業に変貌しつつある今日、「くるまコレクション」を含むBICライブラリには、日本の機械産業の歴史や最新の動向を理解し、前述の「共創」による成長を実現するための情報の要、すなわち、「画龍点睛」的な役割が期待されているものと考えております。
 機械振興協会では、技術研究所、経済研究所、事務局の3事業所が一丸となって、引き続き日本の機械産業の発展に寄与すべく、先進的研究と情報発信に取り組んで参ります。

 本年も皆様からのご指導、ご鞭撻の程、何卒、宜しくお願い申し上げます。

一般財団法人 機械振興協会
会長  釡  和明