協会のお知らせ 詳細
会長新年の挨拶
あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、4月に発生した熊本地震をはじめ、各地で地震、台風、集中豪雨が相次ぎました。また、今年で6年目となる東日本大震災では、未だに多くの方々がご苦労をされています。被災された全ての方々に、心よりお見舞い申し上げます。
わが国にとって、防災力強化は永遠の課題です。その観点で捉えると、機械情報産業と防災の関係には2つの側面があると考えられます。1つ目は、その蓄積技術や新製品に期待される被災低減ツールとしての役割です。例えば、近年注目されるドローンは、災害時の状況分析に活躍しています。また、リモートセンシング技術の高度化は、火山活動や地殻変動の計測精度の向上に大きく寄与します。
2つ目は、機械情報産業における防災意識の向上です。BCP(事業継続計画)の策定やBCM(事業継続経営)の導入が進んでいます。しかし、こうした対策は、まだまだ十分とは言えません。本年は「災害大国日本」を再認識し、サプライチェーン全体としても災害に強い“モノづくり”に向けて、知恵を出し行動する年でありたいと思います。
一方、昨年は、世界の政治経済情勢に影響を与える大きな出来事があった年でもありました。6月にイギリスは、国民投票の結果EU離脱を選びました。英国には1000社近い日系企業が拠点を構えており、日本企業への影響が懸念されます。また、11月の米国大統領選挙では、多くの予想を覆しドナルド・トランプ氏が勝利しました。この1月20日にはアメリカ合衆国第45代大統領に就任します。本年はその一挙手一投足に目が離せない1年となるでしょう。世界はこれまでとは異なる方向への転換の兆しを見せています。
しかし、わが国の機械情報産業は、そうした動きに翻弄されることなく、国内外の事業環境を冷静に分析することが必要です。併せて、変化への即応力にも資するさらなる競争基盤の強化に向け、IoT、AI、ビッグデータ、ロボット等の技術革新による“イノベーション時代”への大きなうねりを巧みに掴んでいかねばなりません。わが国の強みである“現場”という現実空間にサイバー空間を融合させ、新たな付加価値を創造すべく、広い“モノ”をつくっていく取組みが求められています。
今年は酉年です。まさに世界の変化を鳥瞰しながら行動しなければならない年となるでしょう。そのため、当協会では技術研究所と経済研究所といった2つの専門分野をより強化することで、国内外の機械情報産業を取り巻く環境変化を鳥瞰しながら日本の“モノづくり”の発展のためにさらなる努力をしてまいります。
一般財団法人 機械振興協会
会長 庄山 悦彦